運動器ケア しまだ病院
今回は成長期のスポーツ選手に多いOsgood-Schlatter disease(以下オスグッド病)のリハビリテーションについてご紹介させていただきます。選手本人はもちろん、子供たちを指導する指導者の皆様にもぜひ読んでいただきたいと思っています。
よく聞くこのオスグッド病ですが、好発年齢としては11歳から12歳くらいといわれています。さらに発症要因としては、
①スポーツを熱心に行なっている(オーバーユース)
②急激な成長(急に身長が伸びた)
などが、重なって発症します。つまり、スポーツを行なっている小学校高学年から中学校低学年の子供たちには、かなりの確率で起こる可能性があるということです。
だからといって仕方ないとあきらめてしまっては、子供たちに長期間のスポーツ活動の休止を強いることとなり、子供たちの夢や希望を奪ってしまう可能性もあります。だからこそ、指導者の皆様には、オスグッド病の予防に力を注いでいただきたいのです。
そこでオスグッド病を予防するために、まずはなぜ起こってしまうのかを考えましょう。
左図のように、大腿四頭筋という太ももの前面にある大きな筋肉が、成長しきっていない膝の前面の骨を引っ張り(牽引力)、骨をはがしてしまうために起こるものです。逆に考えると大腿四頭筋が骨に対して牽引力を働かせないようにすることが予防の鍵です。だから、大腿四頭筋の柔軟性が必要だといわれます。しかし、本当の原因は大腿四頭筋の硬さではなく、大腿四頭筋を硬くしてしまっている動作を繰り返し行なっていることにあります。だから動作を確認する必要がありますが、スポーツによって動作は様々です。そこでスクワットをさせてみると簡単にチェックが出来ます。
正常 |
アキレス腱が硬く |
太ももの裏が硬く腰が |
上記のような動作になるくらい、柔軟性が低下してしまっている部分があります。このような動作を繰り返すことで大腿四頭筋に負担がかかります。
柔軟性の低下がある部分をストレッチしていくことが本当の予防となります。
では実際のストレッチを見てみましょう。
このようなストレッチを指導していただき、成長期の子供たちのオスグッド病を予防してください。
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