運動器ケア しまだ病院

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生きるよろこびをあきらめない。その人の「しあわせ」を考える。

投球障害について

投球障害を考えていく際には、故障箇所以外の検討が必要です。
今回は、投球フォームチェック、そして、コンディショニングを取り上げます。コンディショニングについては、主に投球動作に必要な柔軟性のチェックについて紹介します。

投球フォーム

投球動作をエネルギーの流れの観点から4つの相にわけ観察します。

第1相ワインドアップ

振りかぶってから足を上げるまで、位置エネルギーを蓄える。重心高いほど位置エネルギーを蓄えることが出来る。例)足をたかくあげるピッチャー、ヒールアップするピッチャーをおもいうかべてください。ただし、身体能力に応じた高さがあるので、あのプロ野球選手が、高く上げるから、自分も・・・というのは、危険です。

第2相コックアップ

テークバックから踏み出し足が着地するまで足を投球方向の踏み出すことで、位置エネルギーを並進エネルギーに変換する。重心を投球方向に移動させることで、体全体を加速させる。ためをおおきくする。

第3相アクセレレーション

投球腕がトップの位置から、ボールリリースまで。2相の並進運動から踏み出し足の着地で一気に回転運動に変換されそのエネルギーがボールにつたえられる。

第4相フォロースルー

ボールリリースから完全に投球動作が終わるまで。この時肩肘の後方にかかるストレスを体全体で緩和する。

投球フォームのチェックポイント

第1相ワインドアップ

振りかぶって一番足が高く上がったときの状態を観察

  1. 投手前方、側方より観察したとき、一番足が高く上がった時、軸足と頭の位置がまっすぐかどうか。両肩を結ぶ線が傾いていないかどうか。
  2. 投手を横から観察したとき、軸足の膝つま先が、正面(右ピッチャーなら3塁側)を向いているか。
  3. 投手を前方から観察したとき、膝が過度に折れ曲がっていないか。踵に過度に体重が乗り、つま先が浮いていないかどうか。

第2相コックアップ

  1. テークバックから腕がトップポジション(投球腕が高く上がったとき)軸足膝が先に投球方向を向き、両肩を結ぶ線は、反投球方向(右ピッチャーなら3塁方向)を向けてているかどう。いわゆる肩の開きをチェック(重要)

第3相アクセレレーション

  1. 投球腕がトップポジションにあるときの肘の角度が、80°~90°かどうか。肘の角度が大きいと、肩とボールの距離が長すぎる(が長すぎる)ことから肩肘の負担が大きい。
  2. 肘高さが両肩を結ぶ線と同じ高さか、やや上かどうか。肘の高さが肩より下がっていると、腕が後方に捻られすぎて、肘の内側、肩の前上方をいためる。
  3. 投球腕が、トップポジションにあるときの姿勢が猫背で無いかどうか。トップポジションの姿勢が、体幹伸展の可動性が制限され円背傾向にある選手は、肘が上りずらい。これを僧帽筋上部繊維によって代償するため、肩をすくめたような背中の丸い、トップポジションの姿勢になりやすい。これを放置しておくと、首肩の付け根の痛み、あるいわ、腕の血行が不良となり、腕全体がしびれる。また、アクセレレーションで体幹の伸展が制限されると、肩の内外旋のみで、投げてしまうので、肩関節の軟骨部位の損傷にも発展する。重要なチェックポイントです。
  4. 踏み出した足の膝の角度が、足を踏み出し着地した時から、ボールリリースするまで、ほとんど変化しない(曲がらない)。踏み出し足の筋力低下があると、踏み出し膝がぐにゃっと曲がっていき、踏み出し脚を支点として、腰を回転させることが出来ず、有効に並進運動を回転運動に変換できない。結果として、手投げになり、肘肩を痛めやすい。

第4相フォロースルー

  1. 振り下ろした手が、踏み出し脚の膝横を通過するかどうか。投球腕の肩甲骨が投げきった後見えるかどうか。踏み出し脚の股関節の内転内旋の可動性がよいと、体全体で、肩後方、肘後方のストレスを回避しやすい。股関節野内転内旋の可動性が低下していると、フォロースルーが小さくなり、肩の後方、肘の後方のストレスが大きくなり痛みとなって出現する。

メディカルチェック

メディカルチェックでは、予防の観点から、肘や肩など障害の頻発部位以外の柔軟性のチェック、筋力のチェッックをおこないます。以下に肩肘の症状別に、不良フォームの原因別に現場でも出来る簡単チェックを記載しました。

第1相ワインドアップ

軸足が不安定で、頭から突っ込んで投げる。体を開いて投げる人はチェック。偏平足の有無 片足立ちになり土踏まずに指1本はいるかどうか。股関節の筋力椅子の上で片膝立ちで安定できるかどうか。

第2相コックアップ

トップポジションで、肩がひらく。

軸足股関節の内転・体幹の回旋柔軟性 

台の上に足をのせる

 

乗せた足を内側に捻る
両肩を結ぶ線を動かさずに行えるかどうか

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15-2-5-2

第3相アクセレレーション

肘下がり、胸が張れずなげる。この現象があると、肘の内側、肩の前方、上方に違和感や痛みが出現します。この相は、怪我の発生率が最も多いので、肘、肩に不安のある人は、以下のチェックを行って体が硬くなっていないかをチェックしましょう。又、上半身の土台の、下半身がぐらついていると、胸もはれないし肘も上がってこないので、下半身のチェックもしましょう。

バンザイ
バンザイして耳が
見えるかどうか
  肩甲骨の可動性
肘を下げずに、肩甲骨が
引っ付くかどうか
  レッグランジ
足を大きく前方に
ふみだす
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第4相フォロースルー

フォロースルーの小さい人、肩肘の後ろに不安のある人、フォロースルーの小さい人は、チェックしましょう。

踏み出し脚の股関節の内転・内旋可動性
大の字に寝て膝をクロスする 膝が床につくかどうか
この時、腰は天井を向いたままであること

 

腰部の投球方向への回旋可動性
椅子に座って反対側足のくるぶしを触れるかどうか

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以上今回は、フォームチェックのポイントと、メディカルチェックのポイントを載せました。日々頑張る選手がいつまでも、熱い投球が出来ますように。

付け足しメディカルチェックの有効利用方法

各項目を一つ1点でよいので、点数をつけてみてください。シーズンを通じて点数の上がり下がりで、疲労による柔軟性の低下や、日ごろのトレーニングの成果一目でわかりします。それによって自己管理の習慣がつき、チーム全体の怪我の予防や、チーム力の向上につながります。

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