運動器ケア しまだ病院

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専門外来

生きるよろこびをあきらめない。その人の「しあわせ」を考える。

椎間板ヘルニア

 重いものを持った拍子に急に「ぎくっ」と腰が痛くなり、その後おしりや太もも、ふくらはぎのあたりも痛くなったりしびれてきたりします。知らないうちに痛み出したり、足だけが痛むこともあります。姿勢により痛みが変化するため、自由に身動きできなくなります。これが、「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」の典型的な症状です。

herunia_p1  右のMRI写真で四角く映っているのが骨(腰椎)(矢印1)で、骨と骨の間にある長方形の組織が椎間板でクッションの役割をしています。健康な椎間板(矢印2)は、白く映りますが、ストレスがかかって傷んくると黒く映ります(矢印3)。また、椎間板の硬い袋の部分に亀裂が入ると、内部の柔らかい組織がとび出します(矢印4)。右のMRI写真で椎間板の右側の丸いふくらみがヘルニアです。

 

 ヘルニアは、姿勢の変化で微妙に動き、神経を圧迫します。神経にとっては、「ボコン!ボコン!」と殴られたようになり、少し姿勢を変えるだけで「ズキン!ズキン!」と痛みます。圧迫が著しい場合は、あしが動きにくくなったり(麻痺(まひ))、小便や大便が出にくくなったりします(膀胱直腸麻痺(ぼうこうちょくちょうまひ))。

 麻痺がひどい場合は、できるだけ早く手術をしてヘルニアを除去すべきですが、麻痺がひどくないときは痛みを和らげる治療を行います。一番よく効くのが、「硬膜外(こうまくがい)ブロック」という注射です。 これは、ヘルニアや神経の周りに炎症を和らげる薬(ステロイドホルモン)や痛みをとる薬(麻酔薬)を注入します。これを1~4回程度受けますと、8割方は痛みがとれます。痛みがそれほど強くないときは、痛み止めの薬を飲んだり、安静にしていると徐々に痛みがとれてきます。小さなヘルニアは、時間が経過すると、だんだん固まってくるため、姿勢を変えたり、運動したりしても痛まなくなってきますが、その間、生活や仕事、スポーツは、できるだけ無理をしないようにする配慮が必要です。

 大切なのは、痛みがとれたあとに、きちんとリハビリを受けることです。ヘルニアになるのは、「身体が硬いままで放っていた」とか、「背骨を支える筋肉(主に腹筋)が弱い」などの原因があります。これらを改善しないで、元の仕事やスポーツを再開すると、痛みやしびれが再発しやすいので、十分にストレッチやトレーニングを行い、仕事やスポーツに負けない体力を獲得してから復帰する事が望ましいのです。

ヘルニアや腰痛にならないためには、

  1. 仕事中、同じ姿勢を続けない。
  2. 最低週1回は、汗をかくような全身運動をする。
  3. ストレッチを朝、晩5分程度行って身体をほぐす。

をおこなって下さい。

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 麻痺がひどい場合、硬膜外ブロックを受けても痛みがとれない場合は、手術を行います。手術は、内視鏡を使って行います。詳しくは、内視鏡椎間板ヘルニア摘出術(MED)をご覧ください。

 

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