運動器ケア しまだ病院
投球障害を考えていく際には、故障箇所以外の検討が必要です。
今回は、投球フォームチェック、そして、コンディショニングを取り上げます。コンディショニングについては、主に投球動作に必要な柔軟性のチェックについて紹介します。
投球動作をエネルギーの流れの観点から4つの相にわけ観察します。
振りかぶってから足を上げるまで、位置エネルギーを蓄える。重心高いほど位置エネルギーを蓄えることが出来る。例)足をたかくあげるピッチャー、ヒールアップするピッチャーをおもいうかべてください。ただし、身体能力に応じた高さがあるので、あのプロ野球選手が、高く上げるから、自分も・・・というのは、危険です。
テークバックから踏み出し足が着地するまで足を投球方向の踏み出すことで、位置エネルギーを並進エネルギーに変換する。重心を投球方向に移動させることで、体全体を加速させる。ためをおおきくする。
投球腕がトップの位置から、ボールリリースまで。2相の並進運動から踏み出し足の着地で一気に回転運動に変換されそのエネルギーがボールにつたえられる。
ボールリリースから完全に投球動作が終わるまで。この時肩肘の後方にかかるストレスを体全体で緩和する。
振りかぶって一番足が高く上がったときの状態を観察
メディカルチェックでは、予防の観点から、肘や肩など障害の頻発部位以外の柔軟性のチェック、筋力のチェッックをおこないます。以下に肩肘の症状別に、不良フォームの原因別に現場でも出来る簡単チェックを記載しました。
軸足が不安定で、頭から突っ込んで投げる。体を開いて投げる人はチェック。偏平足の有無 片足立ちになり土踏まずに指1本はいるかどうか。股関節の筋力椅子の上で片膝立ちで安定できるかどうか。
トップポジションで、肩がひらく。
軸足股関節の内転・体幹の回旋柔軟性 | ||
台の上に足をのせる |
乗せた足を内側に捻る |
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肘下がり、胸が張れずなげる。この現象があると、肘の内側、肩の前方、上方に違和感や痛みが出現します。この相は、怪我の発生率が最も多いので、肘、肩に不安のある人は、以下のチェックを行って体が硬くなっていないかをチェックしましょう。又、上半身の土台の、下半身がぐらついていると、胸もはれないし肘も上がってこないので、下半身のチェックもしましょう。
バンザイ バンザイして耳が 見えるかどうか |
肩甲骨の可動性 肘を下げずに、肩甲骨が 引っ付くかどうか |
レッグランジ 足を大きく前方に ふみだす |
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フォロースルーの小さい人、肩肘の後ろに不安のある人、フォロースルーの小さい人は、チェックしましょう。
踏み出し脚の股関節の内転・内旋可動性 |
腰部の投球方向への回旋可動性 |
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以上今回は、フォームチェックのポイントと、メディカルチェックのポイントを載せました。日々頑張る選手がいつまでも、熱い投球が出来ますように。
各項目を一つ1点でよいので、点数をつけてみてください。シーズンを通じて点数の上がり下がりで、疲労による柔軟性の低下や、日ごろのトレーニングの成果一目でわかりします。それによって自己管理の習慣がつき、チーム全体の怪我の予防や、チーム力の向上につながります。
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