私たちは手術と退院はゴールではないと考えています。手術の前後を通してサポートを行い、患者さんのやりたいことの実現を一緒に目指すことを大切にしています。
手術を受けるとなると、不安があると思います。
手術室がどんなところなのか、入室までの流れを簡単にご紹介します。

看護師や救急救命士が病棟から手術室へご案内します。
病棟から手術室への専用エレベーターに乗り2階の手術室に向かいます。

入り口で手術室担当看護師が患者さんにご挨拶します。
ネームバンドを確認し、お名前と手術する部位を確認します。

確認ができたら、5部屋あるうちの一つにご案内します。いよいよ入室ですが、手術室に入る瞬間は誰もが緊張されると思います。
実は私たちの手術室の壁には、大きな写真があります。
実際にご覧いただき、どんな写真か確認してみてください。

私たちは入室から退室まで患者さんに寄り添いリラックスできる環境づくりに努めています。

手術後は、手術室内にある観察室で30分から1時間を過ごし、その後、病棟へご案内します。
病棟へのお迎えからお帰りになるまで、患者さんにとって「安心の動線」となっています。
ご不安なことや気になることがありましたら、遠慮なくお声がけください。

1. チーム医療
手術を担当する医師の他に、安全に麻酔を行う麻酔科医師、手術の準備や進行をサポートし、患者さんの担当となる看護師、医療機器を管理する臨床工学技士、手術器具や部屋の清潔を保つ洗浄滅菌員など、それぞれの専門家がチームとなって患者さんの安全を最優先に手術を行います。

2. 患者さんの代弁
麻酔で意識・痛みなどの感覚がない患者さんの代弁者として、患者さんの身体や生体モニターをチェックし、常に安全であるかを確認しています。

3. 医療機器
心電図や血圧などを常時チェックする生体モニター、全身麻酔のための人工呼吸器や麻酔器、患者さんの姿勢を安全に保つ手術台、医師を支援する手術ロボットなど多くの機器が配置され、患者さんの安全確保に重要な役割を果たしています。

1. 空気の管理
手術室は感染を予防するために天井に設置された高性能なフィルター(HEPAフィルター)を通してきれいな空気が送り込まれ、病原菌やチリが少ない状態が保たれています。きれいな空気が室内の隅々まで循環し感染の危険を最小限に抑えます。

2. 滅菌された手術
手術で使用するメスやピンセットなどの器械は、すべて滅菌処理(細菌を完全に死滅させる処理)されたものを使用します。器械は手術室する部屋とは異なる独立した清潔な部屋で準備を行います。

3. 服装と手指の衛生
スタッフは、専用の清潔なガウン、帽子、マスク、手袋を着用し、清潔さを守っています。手洗いと消毒は、患者さんの手術部位の感染を予防するためにとても重要な対策です。手指に付着している微生物を除去し、さらに常在菌(体に日常的に存在する微生物)も減少させ増殖を抑えています。

1.歯科衛生士
歯科衛生士は、手術を受けられる患者さんに対して口腔内の観察・口腔ケアを実施しています。手術の前にお口の中を清潔に整えることで、手術後の感染のリスク(術後肺炎など)を減らすことができます。手術後も歯科衛生士が必要に応じて口腔ケアを行い、回復をサポートしています。お口の健康を守ることは、全身の健康を守ることにつながります。私たち歯科衛生士は、チーム医療の一員として、患者さんが安全に手術を受けられるよう日々取り組んでいます。

2.管理栄養士
「動くこと」と「食べること」は元気を取り戻すために欠かせないことです。入院前から状態を確認し、持病のある方や体重管理が必要な方には医師の指示のもと栄養指導を行います。手術後のリハビリテーション効果を高めるために、十分な栄養摂取が大切です。管理栄養士は毎日病棟を巡回し、食事の状況や好みを観察しながら、量・硬さ・食具などを調整し「美味しく、楽しく食べられる食事」を目指しています。そして退院した後を見据えた栄養管理も行っています。私たちはチーム一丸となって、患者さん一人ひとりに寄り添った手術前後のケアを行っています。
・手術の前からサポートしています
・リハビリ・栄養・口腔連携ためのカンファレンスに参加しています
・出勤時は毎日病棟のミーティングに参加し、昼食時にはミールラウンドを行っています
・管理栄養士は病棟担当制として1病棟1人を配置しています
・食事の満足度調査での評価が高いです

3.薬剤師
外来で手術が決まった時から、様々な専門職と協力してお薬の管理と提案を行い、安全で安心な手術を受けられるようにサポートしています。
薬剤師が、服用中のお薬やこれまでの病歴、アレルギー・副作用の経験を確認・評価し、安全な薬物治療を提案しています。具体的には、服用薬の継続・中止や、病歴を考慮した注意が必要な薬について医師に提案します。薬物アレルギー・副作用の経験に基づき、手術中のお薬の変更を提案したり、関係スタッフと情報を共有して安全な薬物管理を行っています。
病棟スタッフと連係し、患者さんの痛みに合わせてお薬の効果と副作用を評価し、より適切なお薬の提案や変更を行います。また、他院からの持ち込み薬についても、患者さんの意向や退院後の生活環境に合わせて対応します。関わるスタッフと情報を共有し、入院中から退院後の安全なお薬の管理を行います。
外来では「はぁとふる保健室」に週2日、病棟では「病棟担当薬剤師」がいつでも居ますので、お薬に関する気になることは、ご遠慮なくお声かけください。

4.理学療法士
・外来リハビリテーション
入院までは外来でリハビリを行いよりよい状態で手術を受けられるようにします。
・理学療法士/作業療法士による面談
入院後、暮らしぶり、住宅環境、手術後にやりたいことなどを聞き取ります。手術前から、ご本人・ご家族の状況を確認し、多職種で退院後の生活に必要な介護サービスを話し合い、準備を進めます。
・手術前の機能評価
手術後に問題となりそうなことを把握し、術後早い時期からサポートできるようにしています。手術後に必要な松葉杖歩行などの動作練習を前もって行います。
・早期の離床
手術後のリハビリは、ベッドから座る・立つ・歩くといった動作へ、できる限り早く移行することを目指します。
・個別性
スポーツ選手の早期競技復帰に向け、患部外トレーニングを含め積極的にサポートしています。
自主トレーニング指導は、絵を用いた説明など個別性を重視しています。
5階リハビリ室のキッチンや和室を利用し、自宅に近い環境で退院後の動作練習を行います。
・リハビリ体制
365日体制で患者さんの状態や時期に応じたリハビリを提供しています。また、4階病棟では、リハビリ時間外でも看護師と連係し、生活動作の中での生活リハビリやPOC(point of care)を実施しています。
・退院支援
家屋評価や退院時同行を行い、自宅環境に合わせた日常生活動作の練習を行っています。また多職種カンファレンスやケースミーティングを通して、患者さん1人1人に合わせた退院支援を行っています

5.看護師
全身麻酔や腰椎麻酔で手術を受ける患者さんは、外来で麻酔科医師の診察を受けます。この際、手術室看護師も同席し、患者さんの身体状況や手術へのお気持ちをについてお話を伺います。
安全な手術と麻酔のため、必要な情報の確認に加え、手術体位の説明や、入院・手術に関する不安なことをお聞きして対応します。
手術室看護師が手術当日、病室を訪問し、手術・麻酔に必要な安全確認を行います。具体的には、患者さんの氏名や手術部位、関節の動き、皮膚状態、歯の状態、装用物、当日の内服薬などを確認します。また、患者さんやご家族の不安や疑問に対応し、安心して手術に臨めるようサポートします。確認事項は、手術室担当看護師、麻酔科医師、病棟看護師間で共有し、継続したケアにつなげます。
手術室看護師や救急救命士が病室から手術室へのご案内と病棟へのお帰りを担当いたします。手術室では、様々なタイミングで安全確認(お名前、手術部位など)を行います。安全確保のため、病室・手術室で何度も確認いたしますが、ご協力をお願いします。手術中は看護師が常にそばについていますので、不安やご不明な点は遠慮なくお尋ねください。
手術を終えた患者さんは、手術室に隣接する観察室で30分から1時間程度過ごします。
麻酔の影響が残る手術直後は、命に関わる合併症の危険が最がも高いため、呼吸・循環を継続して集中的に確認します。麻酔からのどのくらい覚めているかを確認し、麻酔科医師と連携して病棟への返ることができるのかを判断します。また、手術後の痛みや吐き気などに対応し、回復をサポートします。
痛みの管理は医師・看護師だけでなく、多職種によるチーム医療で実施されています。術後疼痛管理チームは、麻酔科医師、薬剤師、看護師、臨床工学技士で構成され、手術後の急性痛を専門的に管理します。チームメンバーの看護師は、医師の指示に基づき、鎮痛薬の正確な投与や、体位変換・ポジショニングを行い痛みの緩和を行います。痛みの部位や強さを客観的に評価し、患者さんの痛みが適切に管理されるようサポートしています。

6.公認心理師
手術を受けられる患者さんが安心して治療に臨めるよう、チーム医療の一員として公認心理師も加わり、術前から術後まで身体面だけでなく心理面への配慮も含めた一貫したサポートを提供しています。
高齢者や認知機能に不安がある患者さんにとって、術後せん妄は大きなリスクです。私たちでは、公認心理師が手術前にせん妄の危険性を評価し、多職種による「せん妄対策カンファレンス」を通じて、予防的なケアを強化しています。また、術後にせん妄が生じた場合は、公認心理師が個別的なケアや他職種への助言などを行い、患者さんの早期回復を支援します。
公認心理師は、術後せん妄に加え、認知症患者や病気・ケガで入院する方の心のケアを専門的に担っています。入院に伴う不安や混乱を和らげ、患者さんが安心して療養できるようサポートします。患者さんとご家族が安心して治療に専念できるよう、心と身体の両面から支えるチーム医療を実践しています。


7.内科医師
患者さんの円滑な手術と回復のため、内科医師は整形外科医師・麻酔科医師と協力し、入院前から退院まで様々なサポートを行います。
特に高齢者や持病が多い方にとって、内科医師の専門的な関わりは極めて重要です。内科医師は多職種と緊密に連携し、患者さんがスムーズに手術を受け、着実に回復してリハビリに進めるよう多角的な診療で支えます。
内科疾患のコントロール
手術の安全性を高めるため、入院中に高血圧、糖尿病、心臓病、腎臓病などの持病(基礎疾患)の状態をしっかりと整えます。
リスクの評価と対策
手術中や手術後に合併症が起きるリスクを評価し、心臓や体の状態の管理、薬の飲み方(休止や再開)などの調整を行います。
周術期管理の内科的サポート
周術期(手術前~手術後一定期間、整形外の変動に対する対応や、リハビリ中の体調管理のサポートを行います。

入院中・退院後の生活の支援
不安や疑問があれば医療相談員が患者さんやご家族に相談支援を行います。事務、看護師、理学療法士、はぁとふる相談室など病院スタッフへ「医療相談員に話しを聞いて欲しい」とお伝えいただければつながります。(日曜・祝日は不在)

医療と介護、福祉サービスの連携の支援
入院中は専門職と連携し、退院後の介護、福祉サービスの必要性について検討し、必要と考えられる場合はサービス担当者と連携を行います。すでに介護、福祉サービスを利用中の患者さんには、各サービスの計画相談者と退院後に円滑にサービスが開始できるように連携します。必ず患者さんやご家族に説明し同意を得て行いますのでご安心ください。

こんな時にお声がけください
こんなお気持ちがあるときに、お気軽にご相談ください。
「急な入院になってしまい今後どうしてよいかわからない」「介護保険ってどうやって利用していいのかわからない」「悩みを聞いて欲しいけど、誰に話をしていいかわからない」
手術前から手術後の期間を安全に安心して生活を送ることができるよう支援しています

手術前
急な入院や手術の直前で不安や緊張のある患者さんへできるだけ安心してもらえるように、手術前後のスケジュールをわかりやすく説明します。

手術直後
手術後の痛みや苦痛を和らげるように痛みを緩和する薬剤の使用も含めてケア、介助を行います。とくに痛みについては術後疼痛管理チームが専門的なサポートを行います。

手術後
退院後のやりたいことに向けて、ベッドで寝ている状態から、できるだけ早く座る・立つ・歩くといった動作が行えるように痛みの緩和や体調を整えて、術後すぐにリハビリができるようにサポートします。また患者さんやご家族の退院やこれからの生活に関する不安や悩みに寄り添い、共に解決にできるようにサポートします。
手術後や急性期の治療を終えた患者さんが、安心して自宅や施設へ退院できるように支援する病棟です。

病棟の特徴
手術後の全身状態が安定した患者さんを3階病棟から受け入れ、リハビリや生活動作の回復支援を行います。また地域の医療機関・施設からの転院も受け入れ、継続的なケアを行います。

多職種連携による安心サポート
医師、看護師、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカー、薬剤師などの多職種がチームとなり、患者さんとご家族と話し合いながら、一人ひとりに合った退院後の生活を見据えて支援します。

対象となる患者さん
手術後、すぐに退院するのが不安な方
自宅に戻るための準備が必要な方
リハビリや日常生活動作の練習をしながら体力を回復したい方

患者さん・ご家族へ
4階病棟では、患者さんが安心して「自分らしい生活」に戻れるように、スタッフ一同が心を込めて支援しております。手術後や急性期を終えたあとも、不安なく過ごしていただけるようサポート体制を整えています。気になることやご不安な点がありましたら、どうぞ遠慮なくスタッフにお声がけください。
手術室は清浄度を維持するために様々な設備が整えられています。
天井の高性能の空気清浄フィルター(HEPAフィルター)できれいな空気を供給し、壁の排気口から換気し空気を循環させています。定期的に浮遊微粒子を測定し、清潔度を検査しクリーンな環境を維持しています。また、室内の気圧を外部より高く保つことにより、廊下など室外からの塵埃や汚染空気の侵入を防いでいます。
手術室全体は、清浄度に応じて区域分け(ゾーニング)され、汚染源の持ち込みや交差汚染を防ぐための動線が設計されています。各手術室は「清潔区域」と「非清潔区域」の2つの扉が設けられています。清潔区域は、患者さんの入退室、滅菌済みの器材や、手洗い後のスタッフのルートに限定されます。非清潔区域は、使用済みの器械や医療廃棄物の回収ルートとなり、外周廊下を通じて洗浄室や回収場所につながります。この明確な分離により、清潔器材と使用後の器材の交差汚染が回避されます。
手術室は、衛生的な環境を確保するため、壁・床一体の不浸透性内壁で凹凸をなくし、清掃・消毒しやすい構造で、様々な手術に対応できる十分な広さを確保しています。室温は、清潔さと保つためやとスタッフの集中を目的として病室より低めに設定されていますが、患者さんの体温管理は温かい掛け物などで適切に行いますのでご安心ください。


