八尾はぁとふる病院
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理事長 島田永和 |
昨年4月に運動器ケア しまだ病院に勝田紘史院長を迎えることをお知らせしました。その際にも、「新型コロナウィルスによる感染が世界中に拡がっています。」というのが、書き出しでした。
それから1年と4ヶ月が経過しています。今、私たちは感染の第5波のまっただ中にいると言われています。大変な数の感染者数が毎日報道され、緊急事態宣言の延長や対象道府県の拡大も決まったようです。
八尾はぁとふる病院では、4月中旬にクラスターが発生し、約6週間は診療を著しく制限せざるを得ない状況となりました。6月に入ってから徐々に外来診療と回復期リハ病棟への入院を再開し、少し遅れて地域包括ケア病棟にも入院患者さんの受け入れができるようになりました。それから約2ヶ月あまりが経過し、今回の教訓から一部の病室を空けておくという運用でも、昨年度と同棟の稼動が確保できる状況まで回復することができています。
その間、実際に感染した入院患者さんや職員、そしてそのご家族はもちろん、その対応に八尾はぁとふる病院のみならず、運動器ケア しまだ病院のスタッフも転院した感染患者さんの対処に全力を尽くしてくれました。さまざまな経過の患者さんに真摯に向き合い、ご家族への配慮も忘れず、本当によく頑張ってくれたと評価しています。管理者としてすべてのスタッフに心から感謝をしています。みんなの力で一番辛い時期を何とか乗り切ることができたという事実は、大きな誇りでもあると考えています。
運動器ケア しまだ病院は、勝田院長のリーダーシップのもと、羽曳野市に積極的に働きかけ、医師会の了承も取り付けた上で、山入端 創(やまのは はじめ)市長からも直接の後押しを受け、市民のワクチン接種に大きく関わりました。優先的に行われた高齢者の接種に続いての一般接種においても医師・看護師・薬剤師といった専門職とケア支援課からのスタッフの協力があり、8月23日時点で羽曳野市での1回接種率が全体で63.4%、高齢者で90.2%、2回接種率は全体で55.1%、高齢者で88.9%になっており、これは大阪府下でも有数の高さとなっていると聞いています。コロナの診療には携わることはできないとしても、この危機的状況において、私たちにできることを精一杯やるという勝田院長の方針で取り組んだワクチン接種です。八尾はぁとふる病院でもクラスター終息後に、ホームページでも案内して、ワクチン接種を実施していますが、週100件を超えるペースになっています。両施設の活動が、それぞれの地域の感染拡大の抑制につながる一定の成果となっているではないかと自負しています。
開始が危ぶまれ、さまざまな意見が続出した東京オリンピック。日本人選手の活躍を含め、多くのトップアスリートの活躍に心躍らせ、やって良かったという意見を多く聞くことができました。そして今、次にパラリンピックが始まるという時期に7月末頃より急増している感染者数がなかなか収まるように見えません。政府は再び、厳しい対応策を発出する事態となっています。
息を潜めて自宅・自室にこもり、生活することが求められている現況というのは、「動く」ことを前面に押し出してきた私たちとしては、逆境とも言える環境です。しかし、そんな事態だからこそ、私たちは頭と身体を使うことを主張したいと思います。限られたスペースであってもできることはあります。外出しなくても、世の中を知るすべもあります。直接会えなくても、会議を行えることは、今回の経過の中でずいぶん学ぶことができました。
ともかく、心と体に刺激を与え、使いましょう。
私たちは、その活動を支えたいと願っています。動く方法の分からない方には、お伝えする方法も用意しています。みんなで、「そんなこともあったねぇ、あのときは大変だったね。」と語り合える日が必ず来ます。その日まで、ご一緒に、みんなで、動き続けましょう。
よろしくお願いいたします。
2021年9月
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