耐性菌防止の戦略 Ⅴ

 いよいよ最後のカテゴリーである「感染の伝播を防止する」について、お話しします。

感染の伝播を防止する

★隔離策を導入する
★伝播の鎖を切る

リンクナースシステムは、この「隔離策を導入する」と「伝播の鎖を切る」の事からスタートいたしました。つまり、病院感染を防止したり、感染拡大を防止する具体策としてとても重要な方法です。

例えば記憶に新しいノロウイルス感染症の場合、便や吐物を感染源と考え、それらに触れた手、汚れた環境を介して伝播します。この伝播の鎖を切る方法として、感染経路別予防策が必要でありノロウイルス感染症の場合は、接触感染経路予防策を実践する必要性があります。たとえ病原菌が限定されていないとしても、スタンダードプリコーション(標準予防策)により感染拡大を最小限に抑える事ができます。便や吐物を取り扱う時には、常に手袋やエプロンを装着し、流水と石鹸、ペーパタオルで手を清潔にすることが必要だと言えるでしょう。

 感染対策は、いつもこれらの予防策を実践することと、感染が発生した時には速やかに調査し、原因を究明し必要な対策を実践することで、被害を最小限にすることです。

このシリーズも早いもので、4年になりました。長い間おつきあいいただきありがとうございました。次回からは、一新した「感染対策」をご提供いたしますので、ご期待下さい。

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法人事務局 感染安全管理担当
感染管理認定看護師 森下 幸子