手術部位感染の現状と予防策

 今年も猛暑のようで、暑い夏がやってきました。体調を崩さぬよう心がけたいものです。

 さて、今回は 手術部位感染つまり手術を受ける事によって発生する感染 についてお話をいたします。米国では何十年も前からこの問題に取り組み、術式別の感染率をモニタリングしています。日本においても2002年より200床の病院を対象に手術部位感染の全国調査を行っており、2005年度の集計で『骨折の手術』は発生率1.9%、『膝の人工物の手術』であれば0.6%と示されています。(国立感染研究所のホームページでどなたでも閲覧ができます)では、手術部位感染の予防策とはどのような事なのか少し紹介いたします。

  • ・ 糖尿病の方は感染のリスクが高いので、術前から血糖を管理する
  • ・ 喫煙は、感染のリスクを高めるので、手術30日前には禁煙をする
  • ・ カミソリでの毛剃りは行わない
  • ・ 整形外科的な人工物の植え込み術を行う場合は、ヘパフィルターを介した空気を
      供給できる手術室で行う

医療用電気クリッパー

 当院では?と申しますと、もちろん毛剃りは感染のリスクですので、できるだけ行わず必要であってもカミソリではなく、医療用電気クリッパー を使用しております。また、手術室の空気管理もできております。ところで、これから手術を受けられる皆さま!手術後の感染リスクをできるだけ減らすためにも、術前は禁煙をお願いします。また、歯の治療も重要で、虫歯や歯周病の菌が血液を通って、手術をしている場所へ集まり手術部位感染を引き起こすとも言われています。

 

+++ ひとりごと +++

子供の頃は、冷房はなくても父が、冷凍庫の氷でイチゴのシロップかけのかき氷を作ってくれ、それを食べるだけで涼しかったように思います。その時代は、涼しかったんですね・・そして、あの時の氷は水道水だったはずです。今では、飲み水は買う時代になりました。何だか、懐かしく思います。

法人事務局 感染安全管理担当
感染管理認定看護師 森下 幸子