介護老人保健施設 悠々亭 新施設長ごあいさつ

 このたび、介護老人保健施設 悠々亭の施設長に就任することになりました。 歴史と信頼あるこの施設が、さらに地域の方々の介護サービスに貢献できるよう努力していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 私は、2019(平成31)年4月に、この施設に着任しました。 医師として、老健の介護・看護・リハビリなどのプロフェッショナルがご利用者に対してどのようにサービスを提供するのかを見ていく中で、自分なりに考えるところがたくさんありました。 医師としての役割に加え、このチームとしての機能の良いところは維持し、改善すべきところは改善する、また、できるだけ効率的に良くしていきたいという思いはますます強くなっていきました。

 超高齢化社会に伴うさまざまな課題の中で、特に(1)認知症ケア、(2)ポリファーマシー、(3)エンドオブライフケアの3つを柱にかかげ、介護老人保健施設 悠々亭をよりよい施設にしていきたいと思います。

 認知症ケアでは、ICT(情報通信技術)を使った新しいアプローチで認知症の複雑な症状の緩和を目指します。 ポリファーマシーとは「Poly」+「Pharmacy」という英語から成る造語で、「多くの薬」ということを意味しています。 本来は、治療を目的とした「薬の服用」であっても、「多くの薬の服用」となれば、副作用などの害悪をもたらします。 可能な限り服用する薬の数を減らし、副作用などの害悪をいかにして抑制すべきか?ポリファーマシーは、その取り組みそのものも表しています。 しかし、単に薬を減らすということではなく、たとえ多くても必要な薬を見極めて残すという判断も行っていきます。 最後に、エンドオブライフケア(人生の最終段階のケア)については、高齢になっていくとやはりADL(日常生活動作)は徐々に低下していきます。 治療に対して「続ける」のか「中止する」のかという判断はご利用者自身では難しくなってきます。 ご家族とともに「その人がその人らしく」人生を送る、そして最終的に人生を全うするため、私たちがそれぞれ専門職のプロフェッショナルとして貢献できることを考えていきます。

 20年後の2040年、日本では高齢者数がピークを迎えます。介護を取り巻く環境、医療の進歩にも注視しつつ、老健ができる役割をこれからも考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

2020年4月

介護老人保健施設 悠々亭
施設長 金岡 禧秀



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