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1999.07.01

プチトマト 1999年7月号

 前回は膝を守ってくれる体操の方法をお話ししました。悲しいことではありますが、体力は年々衰えていきます。ことに、女性の場合、筋力は使わないでいると、どんどん弱っていきます。男性は、男性ホルモンのお陰で、そう苦労することなしに筋力を維持することができます。しかし、女性の場合は、そうはいきません。神様は女性の身体を男性のようにごつごつしたものではなく、丸く優しい形に作ろうとされたようで、女性は筋力の維持には相当の努力がいるのです。骨の中のカルシウムも閉経の後、急速に減少することが知られています。筋力は低下し、骨の強度も弱り(骨粗鬆症です)、そのくせ、男性よりも長生きするということで、女性には不利な材料がそろっています。高齢となればなるほど、女性は元気で生き続けるには、男性よりも自己管理に留意する必要があるのですね。
 さて、今回お話しする「リウマチ」という病気も、女性に多い病気です。男性の3倍の頻度で発生します。おおよそ全国で60万人の方が、この病気に罹っていると言われています。原因は分かっていません。身体には、ばい菌のように、外から敵が入ってくると、それを何とか自分の力でやっつけようとする働きがあり、「免疫」と呼ばれています。リウマチは膠原病などと同じで、この免疫の働きがおかしくなったため起こるとされています。ただ、なぜ、その異常が生まれてくるのか、そこのところがよく分かっていないのです。遺伝性はそれほど強いものではありません。それよりも、生活環境の要素が強いのではないかと言われています。
 いったんリウマチの診断がつくと、どんどん進んで歩けなくなってしまう恐ろしい病気だと、大変なショックを受ける方が多いようです。確かに、原因のはっきりとした病気ではないだけに、難しい面はあります。しかし、病気の実態をあまり知らないで、噂だけで、心配して、夜も眠れないというのは、あまり賢いやり方ではありません。いったいどんな病気で、どんなことに注意し、どうすれば、その病気による影響を最小限にすることができるのかを考えて、うまく対策を立てていくのがよいと思います。
 大体、リウマチにかかれば、すべての人がどんどん進行していくものではないのです。リウマチの経過にも、いくつかのタイプがあります。急に悪くなるけれども、1年以内に改善する一時的なものが25%位あります。どんどん進行するのは、50%つまり半数の方です。残りの1/4の方は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、ずっと続くタイプです。大変なのは急激に悪くなるタイプです。一生悩まなければならないし、関節の機能が衰えていくために、生活にもかなりの影響が生まれます。
 しかし、こういったやっかいな病気ですが、気持ちで負けるとますますつまらない人生になってしまう危険性があります。負けない執念が、医学の常識を越えた結果を生むこともあるのです。リウマチの診断には血液検査が確かに役に立ちますが、それだけで決まるわけではありません。血液検査でリウマチ因子が陽性の方でもリウマチではないという場合もありますし、逆に、陰性でも、リウマチと診断しなければならない場合もあります。どのような症状があるのかが、とても大切な決め手となります。代表的な症状は、「朝のこわばり」というものです。ことに、手の指が朝起きてしばらくは動きにくいというのは、リウマチの特徴です。指の先から一番目の関節ではなく、次、あるいは、さらに次の関節が紡錘状に腫れて、動きにくいとすると、リウマチを疑います。そういう兆候があれば、是非、近くの整形外科の先生を受診してください。
 治療は、根本的な方法は確かにありませんが、病気の勢いを押さえる方法はたくさん開発されています。よい薬もあります。変形を起こしてしまえば、元に戻す手段は手術しかありません。いかに、副作用を少なくして、上手に、薬を合わせるかがポイントです。うまく病気と付き合い、自分なりの人生を楽しむことができるかを考えましょう。それには、相談相手になってくれる経験のある先生と巡り会うことが大切ですね。ともかく、もし、リウマチと診断されても、やっかいな病気ではありますが、怖い命取りの病気ではないのですから、正しい知識を持って、病気に向き合ってほしいと思います。リウマチも関節炎を引き起こす病気で、うまく対処すれば、何ら生活には支障がないことを理解してほしいと思います。そして、前回お話しした膝に限らず、関節周辺の筋力の維持はとても大切なことですから、決してあきらめずに続けてほしいと思います。
 次の機会には、年齢とともに発生する「変形性関節症」を、お話しすることにしましょう。

 

>>プチトマト 1999年8月号

 



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