読み物BOOKS
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2020.06.01
予想もしない出来事が起こりましたね。パンデミックで、世界中が感染の対応と、その拡大の予防対策に追われています。すでに、1年の半分が過ぎたのですが、これまでの半年間このことだけに終始した感じです。いつになったら、もとの生活に戻るのかと期待していた気持ちも、もう、完全にもとの形というのはないねぇと、諦めに似た気持ちにも変わってきたように感じます。
でも、多くの専門家や関係者の方々が、事態の収拾に向け奮闘されていることは間違いありません。私たちは、その成果が出ることを感染予防の基本事項を守りながら待つことですね。改めて掲げるまでもないでしょうが、人との距離をとり、「3つの密(密閉・密集・密接)」を回避し、マスクを着用して、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒をこまめに行い、咳エチケットを守るといったことです。また、ご自宅やオフィスでは、窓を開け、換気を十分にしましょう。また、規則正しい生活のペースを確立して、栄養や睡眠を十分に取り、自分の健康管理を着実にすることも大切ですね。それができれば、「うつらない」と「うつさない」が守られると思います。
今般、外出というか、旅行についても進める動きが出ています。急にみんなが動き始めるのは、危ない気がしますね。様子を見ながら、少しずつ拡大していけば良いのではないかと思います。緊急事態宣言中は、本当に、外出自粛でしたから、毎週末、研修会や学会、あるいは、友人とのゴルフなどに出かけて、家にいたことがないという私が、結構自宅で過ごすことが多くなりました。解除されてからは、京都の田舎にある両親が晩年過ごしていた家に、犬と一緒に出かけて、田舎の空気の中でのんびりしたりしています。
いずれにしても、外で、たくさんの方が参加される会合に参加するのでもなく、誰かと一緒に何かをする予定があるわけではありません。ただ、うちにいるということになります。そこで、気付いたことというか、学んだことをいくつかお話ししようと思います。
一つは、犬との交流です。何だか、心が深く通じ合うようになった気がするのです。ある小説から「一路(いちろ)」という名前にしたのですが、彼との時間が増え、いちろから甘えてきたり、何かを告げようとする動きを受け取る時間的余裕が生まれました。そのため、時に、会話を交わしているような気分になることがあるのです。「うん、そうやなぁ。」「もうちょっと待てや、おやつやるからな。」「おまえって、幸せか?」とか、呟くのは、何も知らない人からすれば、少々不気味かもしれませんね。いちろにしっかり伝わることもありますが、残念ながら、とんちんかんな反応に終わることもあります。
二つ目は、読書です。自宅では時間ができると、抱えている仕事に取りかかるため、PCの電源を入れ、画面に向かうという毎日でした。それが、次の予定がないのですから、あわててそんな風に仕事をする必要はありません。そこで、その時間をもともと好きな本を読むことに使うようになりました。中でもはまっているのは、大阪を舞台にした時代小説です。昔は時代小説というと、何だか安物の人情話と相場が決まっている気がして、手に取ろうとは思えなかったのですが、北海道の本好き・ジャズ好きの友人から薦められて、佐伯泰英さんの時代小説を読んで、すっかり好きになりました。ベストセラーの「居眠り磐音 江戸双紙」のシリーズは、何と51巻あるのですが、筆力なのでしょう、どんどん次が読みたくなります。そして、読み進むうちに、いつしか、その超大作を終えることになるのです。
彼の書く小説の舞台は江戸ですが、田中啓文さんの「鍋奉行犯科帳」に出会いました。この作品は、江戸時代後半の大坂での物語なのです。それからは、岡篠名桜、築山桂、万城目学、朝井まかてといった作家さんたちの大坂が舞台の時代小説を読みあさっています。
何も、東京に競争心を抱いているわけではないのですが、私は自分が生まれ育った大阪への思い入れがありますが、その特徴が生まれた訳が少し腑に落ちるところがあったからです。そもそも、京都、奈良に都があって、他国とのやりとりで、上陸地点になっていたことはあるのでしょうが、江戸時代、米を始め多くの物品が大坂を拠点としていたこと、また、町の性質から、商人が多く、武士の割合がとても低かったことが、この実質的で、本音の飛び交う独特の文化を持つ町を育んでいったことが分かって、楽しく読んでいます。
三つ目は片付けです。いつの間にか、色んなものが生活の中に増えてしまっています。服も鞄も使わないものが結構あります。また、机の隅にも、棚の奥にも、何かで関わった品々や昔の写真などがたくさん見つかります。一つ一つ手に取って眺めたり、読んだりし始めると、楽しみにもなってしまい、簡単には全体の容量が減りません。これでは、場所を変えているだけと気づき、思い切って、処分をする方針に切り替えました。それでも、学生時代に受け取った数々の手紙など、ゴミの方に分類するには、思い切りが必要でした。
冷静に考えてみると、私の人生、残りはそんなに長くないはずです。もし急に、終えることになったとき、後片付けをしてくれる人に迷惑をかけないようにしなければと自分自身に言い聞かせると、片付けが進むようになりました。
さて、最後の四つ目です。恥ずかしいのですが、私は、食いしん坊の飲み助です。食べることがとても好きですし、そして、日本酒が大好きなのです。嫁さんが揃えてくれるおかずに文句を言うことはありませんが、この時間ができた機会に、献立を考えて、買い物をして、計画通りのものを作るという一家の主婦なら毎日のようになさっていることを自分で少ししてみるようになりました。もちろん、それは日本酒に合うおかずということになります。野菜が主体で、時にお魚を炊いたり、手羽元で鳥のスープを作ったりしますが、緑の野菜をごまで和えたり、お芋を炊いたりして楽しんでいます。
ということで、最後に、私が今の時節、気に入っている簡単なおかずを紹介します。どこで見つけたのか忘れてしまったのですが、夏野菜を簡単つけ汁に漬け込むだけの一品です。大根、ニンジン、山芋といった定番の野菜だけではなく、オクラ、ミョウガ、ミニトマトなんかも一緒に漬けるのです。大根やニンジンは、皮を剥いてしまうのではなく、粗いスポンジなどで皮をこすって洗い、そのまま短冊に切るのです。できあがって食べてみると、皮の周りに味があるのが、よく分かりますよ。
つけ汁は、お水300mlに白だし100ml位が基本です。そこに、少しのお酢やお醤油、みりん、そして、塩もしくは塩昆布を足します。数時間漬け込むだけで、おいしくいただけますよ。
明けない夜はないと言います。何かできること、今がいい機会と考えて挑戦するのも楽しいです。身体を動かすこと、頭を使うこと、忘れないで、一緒に元気に過ごしましょうね。