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看護講座-ノロウイルスに注意しよう!!

 ノロウィルスは、人の小腸で増えるウィルスで、感染経路は経口感染です。ノロウィルスに汚染された食品(特に二枚貝)を食べることにより感染する場合と、感染した人の糞便や嘔吐物が口から入り感染する場合があります。また、糞便や嘔吐物を処理する際、ウィルスが飛沫し体内に入ることでも感染します。
 感染すると1~2日の潜伏期間の後、下痢・嘔気・嘔吐・腹痛の症状が現れ、軽度の発熱を伴う場合もありますが、通常、健康な人であればこれらの症状が1~2日続いた後に自然に治りますので治療は必要ありません。

<ノロウィルスによる食中毒予防>

①手洗い
  • 調理前は必ず手を洗い、特に二枚貝を取り扱った後・盛り付け前は念入りに石鹸と流水で手を洗いしましょう。

②加熱調理
  • 加熱温度85℃以上、1分以上加熱しましょう。
ウイルス
③消毒
  • 魚介類などを取り扱った調理器具は、洗浄後85℃以上の熱湯をかけるか200ppm次亜塩素酸ナトリウム溶液に30分浸しましょう。
  • 生野菜や果物を処理するまな板や包丁はあらかじめ別にしておくことも食中毒予防と言えます。

【注意】アルコール消毒は、あまり効果がないといわれています。


<下痢や嘔吐があるご家族の対応と家庭内で行う感染対策>

①手洗い
  • 調理前、食事前、排泄介助の後、糞便や嘔吐物の処理前後に手を洗いましょう。
  • 手を拭くタオルは1日の中でいつもよりも頻回に交換をしましょう。

②糞便・嘔吐物の処理
  • 使い捨て手袋とマスクを着用し、使用後はビニール袋へ入れて捨てて下さい。
  • 嘔吐物は、使い捨ての布や新聞紙などで、外側から内側に向けて静かに拭き取り、1000ppm次亜塩素酸ナトリウム溶液を染み込ませた布などで浸すように拭きましょう。嘔吐物のあった周辺は、広い範囲で消毒をします。
    (床:半径2.3m カーペット:半径1.8mが目安です)
  • 汚物はビニール袋に入れ、密封して捨てましょう。
  • 処理中、処理後は換気を十分に行いましょう。(飛沫感染予防) 

③消毒
  • 糞便や嘔吐物で汚染した衣類は、汚れを拭き取り1000ppm次亜塩素系ナトリウム溶液に1時間以上浸すか、85℃以上の熱湯に1分以上浸した後、洗濯をしましょう。
  • 症状が改善しても、1週間程度は糞便中にウィルスが排出するので、200ppm次亜塩素系ナトリウム溶液でトイレ、ドアノブ、水道の蛇口など直接手で触れる箇所を消毒しましょう。


<消毒液の作り方>

~家庭用塩素系漂白剤を使用~
【1000ppm次亜塩素酸ナトリウム溶液の作り方】
500mℓの水 + 10ccの塩素系漂白剤
【200ppm次亜塩素酸ナトリウム溶液の作り方】
2ℓの水 + 10ccの塩素系漂白剤

ノロウイルスによる感染性胃腸炎が家庭内で拡大しないよう予防策を行い、
寒い季節を安全に過ごしましょう!