「以前できていたことが、うまくできなくなった」
「周りの人には、なかなか分かってもらえない」
「これからの生活や仕事をどうしていけばいいのだろう……」
高次脳機能障がいとは、脳卒中や交通事故などのケガ・病気で脳が部分的に損傷を受け、記憶、注意力、感情のコントロールといった高度な認知機能に障がいが起きた状態のことです。身体的なまひなどがなくても、考える力や行動を調整する力がうまく働かなくなるため、日常生活や仕事に支障をきたします。外見からは分かりにくいため、「見えない障がい」とも呼ばれており、ご本人だけでなく、ご家族もさまざまな悩みを抱えることがあります。
そんなご本人とご家族が集まり、「同じような経験をしている人と話したい」「情報を知りたい」「安心して過ごせる場所がほしい」という思いから活動してきたのが、「八尾のほっと・ケーキの会」です。
「八尾のほっと・ケーキの会」は、2007年6月に第1回の定例会が開催されました。当時、外来リハビリテーションに通っていた方のご家族から「同じ疾患の方や家族と交流する機会がほしい」という声がきっかけとなり、ご本人やご家族、支援スタッフが一緒になって会を立ち上げました。
定例会は、八尾市内の公共施設などで開催され、参加者同士が近況を話したり、困っていることを相談したり、生活に役立つ情報を交換したりします。
家族の茶話会では、まず自己紹介や近況報告から始まり、「こんなとき、どうしていますか?」といった日々の悩みを共有します。
同じ経験をしているからこそ、「それ、うちも同じです」「そういう方法もあるんですね」と自然に会話が広がります。

「八尾のほっと・ケーキの会」の魅力は、悩みを相談するだけではありません。
春には花見、クリスマス時期にはイベントを開催するなど、さまざまな活動を一緒に楽しんできました。
「相談する場所」だけではなく、一緒に笑ったり、出かけたり、楽しんだりできる場所。それも、この会の大切な役割です。
「仲間がいる」と思えること
実際に会へ参加したご本人やご家族から、「仲間がいると思うと希望がわく」といった思いが語られています。
高次脳機能障がいは、一人ひとり症状や困りごとが異なります。だからこそ、同じ経験を持つ人同士が出会い、互いの経験を共有できることには大きな意味があります。
「自分だけではなかった」
「分かってくれる人がいる」
「もう少しやってみようかな」
そんな気持ちが生まれることが、次の一歩につながっていくのかもしれません。
「ほっと・ケーキの会」は、当事者とご家族が安心して語り合い、笑い合い、つながることで、地域の中でその人らしい生活を支える――そんな温かな活動の歩みを続けてきました。
誰かと話すことで、少し心が軽くなる。 同じ経験を持つ仲間と出会うことで、明日が少し楽しみになる。
地域には、そんな「つながり」の力があります。
八尾はぁとふる病院も、これからも地域の皆さまとともに歩みながら、安心して暮らせる地域づくりを大切にしていきます。