寒い季節の真ん中で少し温かいお話がしたくなりました。
この季節、体を温めて指先や足先が冷たくて・・・と感じている方は多いのではないでしょうか?
そこで、今回は足浴(そくよく)についてお話します。
最近の温泉ブームの中で、服を脱がずに手軽に温泉気分を味わえる“足湯”を経験された方は
多いと思います。本当に体がぽかぽか温まる感じは気持ちがいいですよね・・・。
看護では、足のケアとして『足浴』をする場面が多くあります。
足浴で期待される効果
- 足の清潔が保てる
- 全身が温まる
- 皮膚の状態が改善する
- 創傷の治癒が早くなる
- 睡眠が促進される
- リラックス効果がある
血液中には様々な栄養分や酵素などの体が必要とするもの以外に、代謝によって産出された老廃物(体の中のゴミ)も多く含まれています。通常それらの老廃物は、尿として体の外に排出されています。
しかし、血液の循環が悪く、体外への排出が上手くいかない場合などは体内に蓄積されてきます。
蓄積された老廃物は、重力の関係で徐々に下の方へ・・・つまり足側にたまってきます。そうなると、
さらに血液の循環は悪くなり、さらに老廃物がたまり・・、悪循環に陥り、むくみや、冷たさ、色の悪さ
など様々な病気を引き起こす原因となってくるのです。時には、重篤な病気の引き金に
なってしまうこともあります。
決して『足浴』は難しいものではなく、ご自宅で簡単にできるケアのひとつです。
足浴の必要用品
- 大きめの洗面器(足首まで入るほうがいい)
- お湯(38~42℃)
- やかん
- タオルまたはバスタオル
- ビニールシート
- 泡ソープ
- 入浴剤
足浴の方法
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- 必ず手でお湯の温度を確認しましょう
- ゆっくり足首までつかります
- お湯が冷めやすいので足し湯をします
- 泡ソープで指の間、土踏まず、かかとを優しく洗います
- 石けんを洗い流します
- タオルで水分を拭き取ります(指の間も)
- 保湿剤を塗ります
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日常の中で、意外に足をじっくり見る機会は少ないのではないでしょうか。
私たちは、『足浴』の場面を観察の場としても活用しています。
足の観察ポイント
- 傷、水ぶくれ、ひび割れ、かさつきはないか
- 痛み、むくみ、かぶれはないか
- 皮膚の一部の色の変化はないか(赤い、黒い、赤黒い、紫っぽい)
- 冷たくないか
- 爪の色、形に変化はないか
- 爪は伸びすぎてないか
- 爪の割れ、はがれ、巻き込み、肥厚はないか
特に高齢者の場合、視力の低下や足先まで手が届かない、関心がないなどの問題があり、気が
ついたときには悪化していた!というケースも多くみられます。
高齢者の場合は、周りの人たちが気をつけて足の状態を観察・ケアすることも大事になってきます。
ご自宅で療養されている方々、足をそっと触ってあげてください。結構足の冷たい方が多くいらっしゃい
ます。温めてあげてくださいね。
注意:病状によっては足浴等が禁忌の場合もあります。その際は必ず医師、看護師に相談して
ください。
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