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治癒が困難な慢性疾患があっても、その人らしい生活を!!
~慢性疾患看護専門看護師のご紹介~



訪問看護ステーション ハートパークはびきの
慢性疾患看護専門看護師  山本 弥生
 

こんにちは、ハートパークの山本です。

私は『慢性疾患看護専門看護師』という資格を取得しています。専門看護師という言葉には馴染みがないかと思いますが、がん看護や精神看護など11の領域があります。求められている役割には、その分野に特化した【実践】のほか、【教育】【研究】【倫理調整】など、看護の質に係わるものが多く、まだまだ未熟ですが日々頑張っています。

慢性疾患の定義は「治癒が困難な慢性の経過をたどる疾患」とされ、ケアの焦点は治癒(cure)ではなく、病気とともに生きること(living with illness)にあります。
疾患をもちながらも、その人らしい生活ができるためのケアとして、私はリンパドレナージやアロマセラピーといった補完代替療法を取り入れています。これらは、西洋医学だけではカバーしきれない部分を補うものとして位置づけられています。悠々亭やハートパークのご利用者は高齢の方が多く、殆どの方が慢性疾患を有しており、ちょっとしたことがきっかけで通所サービスがご利用できなくなったり、体調を崩して在宅生活が継続できなくなります。そのため、例えば下肢の浮腫にリンパドレナージをおこなうことで痛みやしびれの緩和、浮腫軽減による転倒予防やリハビリの促進といった身体的ケアや、優しく触れることでのタッチング効果、ゆっくりと話しを聴くことでの精神的ケアを大切にしています。

現在、ハートパークでは手技を伝達し、スタッフみんながケアとして取り入れてくれています。今後は、介護エリア全体にも広めていきたいと思っています。

 

◆出前勉強会を開催しました♪

現在、当事業所ではリンパドレナージをケアの1つとして取り入れていますが少しずつ法人内外での普及活動もさせて頂いています。

法人外活動としては、今年の9月に生野愛和病院さんで勉強会をさせて頂きました。勉強会では、まずリンパドレナージの対象となるリンパ浮腫および浮腫ケアについて概論的な話しをしたあと、リンパドレナージのデモンストレーションをおこないました。当日は医療者だけでなく事務職の方も参加され、動画やメモを撮られるなど、熱心に受講される姿が印象的でした。

リンパドレナージを実施する上で大切なことは“力加減(優しく)”と“スピード(ゆっくり)”なのですが、この部分をお伝えするには言葉だけでは足りないため、実際に体験して頂いています。この日も、モデルとして同行したスタッフの足をお借りし、直接触れて体験頂きましたが、体験された方はあまりのソフトタッチに驚かれていました。その後も受講された方同士で実際に試してみられる方や、現場での浮腫ケアについて相談される方など、終始積極的に参加頂き、熱気にあふれたまま勉強会は終了しました。

この貴重な経験については、先日のはぁとふる学会(当グループで実施している院内学会)において活動報告の1つとして発表させて頂き、銀賞を頂きました!これからもケアとしてのリンパドレナージの普及活動は続けていきたいと思っています。

ご興味のある方は是非ご連絡ください。よろしくお願いします!

◆生野愛和病院での勉強会の様子

勉強会の様子