耐性菌防止の戦略 Ⅱ

 今回は、2つめのカテゴリーとして「感染を診断し治療する」についてご紹介いたします。

感染を診断し治療する

★感染症の原因になっている菌の種類を絞り込む
(1)適切な抗菌治療を行うためには、抗菌剤の使用期間、投与方法、タイミング、種類が成功の鍵を握る。
  • ①培養検査(原因となる菌を調べる検査)
  • ②感染の部位と治療経験上予測される菌の種類を絞り込む。
  • ③原因になっている菌と抗菌剤感受性検査(菌に効果がある抗生剤を調べる検査)により決定的な治療方法を絞り込む。

★専門家の意見を聞く
(1)感染症医を重篤な感染症治療に活用する。(※1)
  • ①重篤な感染症患者について、感染症医へ相談し意見を聞く。

(※1)感染症医は、日本では少ないためICD(感染管理医師)や内科医師に委ねられる。

このように、2つめには、感染症の原因になっている菌を絞り込む事が強調されています。すでに、抗菌剤は「魔法の薬」ではないことがわかります。

 数年前ですが、私が小児科で勤務しているときに「少し熱があるので、念のために抗生物質をください」と言うお母さんをよく見かけました。 皆様は、どうお考えでしょうか?

法人事務局 感染安全管理担当
感染管理認定看護師 森下 幸子