微生物学教室の実習から

 6月からの感染管理学科の講義は、ほぼ終了し現在「感染管理プログラム」の立案を行っています。今回は、専門基礎科目の中の1つをご紹介いたします。

 微生物学として、順天堂大学の微生物学教室で実習を行いました。専門の医師達から得た知識を基に、自分の鼻と口から微生物を採取し、顕微鏡でその姿を確認しました。これらの微生物は、院内感染の重要な微生物であり、耐性菌のメカニズムを理解する上でとても貴重な体験でした。つまり健康であるからこれらの微生物と共存できていますが、何らかの理由で抵抗力が落ちればこれらの微生物が、病原菌に変化するのです。

 もう一つおもしろい実験を行いました。試験管で培養された便に含まれている微生物を普通寒天平板に注ぎます。そこにトイレットペーパーを指に巻き付け、その指で寒天平板の表面をぬぐい、別の特殊な寒天平板に付着させます。同様に石けんと流水での手洗い後の指も、別の寒天平板に付着させ、細菌の数の比較を行いました。指に巻くペーパーの枚数が増えれば増えるほど微生物の数は少なくなりますが、それよりも手洗い後の指を付着した寒天平板の微生物の数はゼロでした。いかに、手を洗うことが重要か「身をもって」確認した実験でした。

東京都清瀬市にて・・・

法人事務局 感染安全管理担当
感染管理認定看護師 森下 幸子