感染症法「1類感染症」のエボラ出血熱とは?

エボラ出血熱とは、エボラウイルスによる熱性の病気です。潜伏期間は2~21日(平均約1週間)と長く、発症は突発的であるといわれます。主な症状は発熱・頭痛・筋肉痛・胸痛、腹痛、無力症が多いようですが、インフルエンザと似ていますね。ただ、2~3日で急に悪化し、死亡例では約1週間程度で死に至ることが多いのですが、出血は、主症状ではないことも多いのです。問題は、致死率が50%~90%ととても高いため、恐れられています。

感染経路は、血液、体液、排泄物等との接触感染(時には飛沫感染)で、空気感染は否定的です。2月12日WHO(世界保健機構)によりますと、累積患者は2万人を超え、累積死亡者数は9194人と報告されています。もちろん、国内では発生していませんので、西アフリカのギニア・リベリア・シエラレオネの発生数です。
最近、報道されないので、もう忘れつつあるかも知れませんが、実は世界的に見ると収まっていません※。むしろ、国内への持ち込みリスクは持続しています。
私たちが、行う事は海外旅行から戻って来た時に少しでも体調が悪ければ、「検疫」へ報告することです。そして、ご自宅に戻ってから発熱や下痢などあれば「保健所」へ相談をしましょう。

もうひとつ、大切な事があります。
海外旅行へ最近行かれ、発熱などある患者さんは、当院を受診される際に、「アフリカへ行ってないから関係ない」と思い込まずに、「海外へ行きました」と医師または看護師へお知らせ下さい。よろしくお願いいたします。

※ 3月21日WHOはリベリアの患者数増加が収まりつつあり、今年半ばまでに感染を止めることが可能とした

150212_map4.jpg厚生労働省検疫所FORTHより


法人本部 感染・安全管理担当
感染管理認定看護師
森下 幸子