「マダニに噛まれたかも?」と思えば病院へ行きましょう

 昨年の秋から、これまであまり知られていなかった新しいウイルス感染症に、SFTSが報告されました。皆さんも既にご存じかと思いますが、SFTSつまり重症熱性血小板減少症候群です。「また、そんなややこしい感染症が、発生してきたなぁ」と思われていますか。実は、1月に厚労省が報告するように指示したところ、3月には報告件数が50件を超え、現在までにSFTSと診断された患者さんは、2013年1月から調査が開始されて以降8月21日現在で27名で、内9名が死亡されています。今回は、このSFTSについてお話いたします。

この感染症は、SFTSウイルスをもつ“フタトゲチマダニ等のマダニ”に、咬まれたことにより感染し、発病すると高熱、嘔吐、下痢などの症状が現れ、重症化すると死亡することがあります。(致死率10~30%)山林や草地に立ち入って、1~2週間してから発熱などの症状が出た場合は、医療機関を受診するよう厚労省が勧めています。ちなみに、マダニとは、室内のダニと種類が違います。固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3~4mm)ですので、目視で見えるそうです。人につくと10日間は、吸血するらしく、吸血中は大きくなります。また、森林や草地など屋外に生息し、写真を見ていただくと「屋外で生息していけるくらい固そう」ですよね。
 残念ながら治療方法はなく、ワクチンもありません。ですので、草むらや藪などダニが多く潜む野外では、ダニに噛まれないよう長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し肌の露出を避ける等の対策を行いましょう。アウトドア派は、要注意ですね。


フタトゲチマダニ(国立感染研究所昆虫医科学部ホームページより)フタトゲチマダニの写真
法人本部 感染・安全管理担当
感染管理認定看護師
森下 幸子