中国における鳥インフルエンザA(H7N9)を指定感染症へ


 連日、報道されている中国における鳥インフルエンザA(H7N9 )ですが、
日本での拡大を懸念し政府は指定感染症と位置づけました。実は、感染経路がまだ、明確になっていませんし、わからないところもたくさんあります。
WHO(世界保健機構)が慎重な発言にとどめているのも、よくわからないことがあるからでしょう。たとえば、生きた鳥が原因であるなら、生きた鳥の近くにいた人が感染したと考えられるのですが、むしろ発症していない人の数が多いのはなぜだろう。 そして、鳥に近寄っていない人が発症しているのは、ヒトからヒトの感染経路があるのではないかと疑うところですが、その割には発症した人の数が少ないのも不思議に思われます。

 しかし、感染対策は、拡大させないことが一番大切なことですので、わからない時は、
「最もリスクが高いと考えた方法を選ぶこと」が基本的な考え方です。
そして、後に詳しくウイルスが解明されれば、また、リスクに応じた方法に位置づけます。
なので、インフルエンザA(H7N9)を期間限定の指定感染症に上げたと考えられます。

 さて、台湾からも1名発症の報告がありました。
WHOは「感染源やウイルスの保有宿主についての調査を進めていること・感染源が
確認されるまでは、今後もこのウイルスに感染した患者が発生すると予想されること ・現時点では、人から人に感染が続いているという根拠はないこと・入国時の特別なスクリーニングおよび渡航や貿易を制限することを推奨しない」(4月26日)と述べました。

 私も含めて実行する予防策は手洗いと咳エチケットです。
そして、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないことです。
特に中国など発生地域に行かれる方は、ご留意下さい。
 また、海外へ行かれる前には、厚労省FORTHのホームページを必ず確認し、
行き先にどのような感染症が流行し、気をつけることは何かをあらかじめ調べておきましょう。
(FORTHホームページ:http://www.forth.go.jp/index.html

Influenza A(H7N9)(国立感染研究所ホームページより)鳥インフルエンザA(H7N9)の写真
法人本部 感染・安全管理担当
感染管理認定看護師
森下 幸子