海外だけの問題ではない輸入感染症について


 時々、海外で発生している感染症について、テレビやラジオ、新聞で報道されています。
「なんだか、難しそうな病名。でも私は、海外旅行に行かないから関係ないわ」
と思われている方もおられるかも知れません。
 でも、これは海外旅行へ行く人だけの問題ではないのです。休日も増え、
便利になったこの時代、あらゆる国へ行くことができるようになりました。しかし、いろいろなウイルスや病原菌がこっそり、人へ入り込みそのまま日本へ一緒に上陸してしまいます。 もちろん、帰国したときに症状がある方は「検疫所」へ報告をしなければなりませんが、ほとんどの方は家に着いてから「ん?なんだか・・調子が悪い」となるようです。
 最近、問題になっている感染症をご紹介しましょう。

  • 1.7月頃より米国で「ハンタウイルス肺症候群」の発生が報告されました。原因は“ネズミ”です。ネズミに噛まれるだけでなく、ネズミの糞や尿、唾液に触れる、それらに汚染された埃を吸い込む事で感染します。
  • 2.7月頃、カンボジアから帰国した方が「チクングニア熱」を発症し福岡の病院で治療を受けました。偶然にも同じ7月にカンボジア、ベトナム、タイを旅行した方が、帰国してから下痢と発熱を伴い同じ「チクングニア熱」と千葉の病院で治療を受けました。 原因は“蚊”です。“蚊”に刺されないように予防する事が重要です。

 その他、まだまだありますが、海外旅行へ行く前に、
FORTH(厚生労働省検疫所のホームページ:http://www.forth.go.jp/index.html)から情報を集めて、予防に努めましょう。

写真はチクングニアウイルス
(国立感染症研究所ホームページより
チクングニアウイルスの写真

 

法人本部 感染・安全管理担当
感染管理認定看護師
森下 幸子